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パチンコの利用状況

広さはたった6坪。 ソファもデスクも知人からのもらいもの。
それで十分間に合うような、ごく小規模なオフィスだった。 それでもNにとっては、わが城。
名実ともに一国一城の主になった気分だった。 会社名の「東邦リアルエステート」は、東京の「東」に、日本の国を意味する「邦」を合体させ、不動産を意味する英語「リアルエステート」をつけ加えた。
「仕事は仲介、または、販売代行でした」独立前の会社では、かなりの実績をあげており、営業のトップになっていた。 その当時、培った人脈から物件を仕入れ、それを販売していったのだ。
ちょうど、バブル経済が沸騰期に向かうころで、以前、Nが販売した3500万円程度のマンションが、1年後には4000万円、4500万円になっている。 業者から仕入れて販売したのでは、手元には3%程度とわずかな販売手数料しか残らない。
それならば、自分で仕入れたほうがいい。 これまで販売したマンションのオーナーなどに、自らアプローチし、購入価格よりもはるかに値上がりしている価格を提示して仕入れるのだ。

これを手数料を大きく上回る利益を積み上げて、ただちに転売する。 この方式ならば、多額の資金がなくても、ビジネスはどんどん展開できる。
バブル経済へ向かう時期ということも重なり、ビジネスはおもしろいほど順調に拡大し、資金もしだいに潤沢になっていった。 3人でスタートした会社だったが、たちまち人手不足になり、半年、1年と経つうちに人は飛躍的に増えていった。
「気がついたときには、20人、30人規模になっていましたね」当然、6坪のオフィスでは手狭になる。 池袋から新宿1丁目の20坪のマンションに移り、2年後の昭和63(1988)年の秋には、一気に100坪のオフィスビルに事務所を構えるまでになっていた。
このころの従業員数はなんと100人。 いくらバブルの沸騰期とはいえ、24、5歳の青年がたった2年程度でここまで会社を大きくした例は稀であろう。
「渦中にいる人間は、どんなすごい渦に巻き込まれているか、わからないといいますが、そのとおりです。 バブルの最中にいるのに、まったくその自覚がありませんでした。
ファックス一枚で数億円という取引が成立し、数日にして、数千万円の利益をあげることなどザラでしたね。 それを、不思議だともなんとも思わないのですから」平成元年には、ついに、自社ビルを購入するところまで登りつめた。
ちなみにこの年の大納会で、日本の株価は天井に達する。 日経平均は3万8915円をつけ、上場株式時価総額は62兆円に達したのだ。
地価総額にいたっては翌年末で2365兆円。

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